やがて扉は完全に消失し、そこには一人雨に打たれる私だけが残った。


『もう暗闇の中へと戻ることはできない』


心の中で私はそれを認識した。



空の色が一層明るくなる。


オーロラのような波形がゆらゆらと、不思議な動きをする。


まるで海の揺らめきを見ているかのようだ。


そのうちあまりの明るさに目をあけていられなくなった。