0365名無しの七森
2016/10/01(土) 18:21:13.83その口調は、普段の彼女と変わらない、優しいものだった。
船見さんはなにかに気づいている。
そして先ほどの『スープの夢』の話。
私にはそれが作り話だとは到底思えなかった。
ーーー彼女も、私と、同じなのか。
彼女も、名状しがたい狂気に追われていたというのだろうか。
「私は……」
………どうすればいいの?
言葉は最後まで出てこなかった。
拳をさらに強く握る。
私は揺れていた。
誰も信じてくれないような与太話。
鼻で笑われるか、いたずらに怖がらせるだけか。
私一人で抱えるしかないと思っていた、あの日の出来事。
ーーーそれを、話してもいいの?