千葉県市川市で4月に開園予定だった私立保育園が「子供の声でうるさくなる」などの近隣住民の反対を受け、開園を断念していたことが分かった。
同市の待機児童は373人で全国市区町村で9番目に多い(昨年4月時点)。
説明会に同席するなどして地域の理解を求めてきた市の担当者は
「(住民の反対で)開園が延期したケースは東京都内などであるそうだが、断念は聞いたことがない。残念だ」と言う。

市によると、同県松戸市の社会福祉法人が3月、木造2階建ての園舎を完成させ、4月1日に定員108人(0?5歳児)で開園する計画だった。
予定地は市中心部に近い住宅街で、昨年8月に開園を伝える看板を立てたところ、反対運動が始まったという。

住民側は市や社会福祉法人に対し、計画撤回の要望書を提出。
社会福祉法人による説明会も複数回開催されたが、「子供の声が騒音になる」「保育園が面する道路は狭いので危険だ」などの意見が強かったという。
市によると、これまでも市内で他の保育園開園への反対はあったが、防音対策を講じることなどで最終的に合意を得られていたという。

社会福祉法人は3月下旬の理事会で断念を決定した。
理事長は「保育園は地域の皆さんから見守ってもらえなければ成り立たたない。現状では無理だと判断した」と話している。

http://mainichi.jp/articles/20160412/k00/00m/040/070000c