シャンパンを浴びている場合ではない」VWのWRC撤退の真意を英記者が分析
                              2016.11.02(AUTOSPORTweb)
https://www.as-web.jp/rally/62381?all

 11月2日、フォルクスワーゲンがWRC世界ラリー選手権の撤退を発表したが、こ
の撤退劇についてイギリスAutosport誌のラリー編集者であるデイビッド・エバンス
は、「フォルクスワーゲンのオーバーオールを着たドライバーやスタッフがシャンパ
ンを浴びている時ではない」とその理由を分析した。      

 フォルクスワーゲンが、WRCからの撤退を正式に発表した。ディーゼル排ガス問
題により莫大な額の賠償金の支払いに追われる中で、何百万ポンドもの予算をラリ
ーにつぎ込み続けることをどうやったら正当化できるだろうか。

 実際のところ、WRCへの参戦コストはグループが直面するであろう賠償額に比べた
ら本当にわずかなものだ。ただ、これはパブリックイメージの問題なのだ。今は、フォ
ルクスワーゲンのオーバーオールを着たドライバーやスタッフがシャンパンを浴びて
いる時ではない。

 4年間で12個のタイトルを獲得していようがいまいが、大局的に見てフォルクスワー
ゲンが表彰台でシャンパンファイトをする余地はもうないのだ。

 ラリーファンにとっての良い報せは、この決定がWRC自体とはなんの関係もないこ
とだ。それは、この決定がフォルクスワーゲングループ最高経営責任者であるマティ
アス・ミューラーの経営戦略と面目の維持によるものだからだ。