生まれ落ちた時はまるでクリストス、世界を導き救うものがいるとすれば彼女だろうという祝福と光輝が共にあった
幼き頃、生誕時の神性は薄れるも人として持つべき正しき理性と優しさを備えメサイアとしでなく人として衆生を統率する王者の威風がその身を包んでいた
小学生になり育つにつれ、幼き頃の彼女を知る者みなが羨み望んだ聡明さは減耗していきまるでただの少女としか見えなくなった
しかし生来の朗らかさは間違いなく周囲に元気と幸せを振りまいていた
中学生になる頃、もはや知能は人の領域を外れ獣畜生のそれになり関わるものに不幸と害悪で支配する動く悲劇となり果てた
生来からの価値を恒久とする、いや成長すらしている見た目の美しさだけがただただ彼女の存在意義を支え続けていた