「それ、奴隷だよ」

大学で同級生だった友人の言葉を、漫画家なもりさん(仮名・28)は
すぐにはのみ込めなかった。
なもりさんは2008年から、京都のアパートに住み込みで働いていた。
大学の奨学金を返済しながら週7日、計80時間の勤務。
給与明細はもらっておらず、手取りは月2万円弱。そこか親へ仕送りをし、
食事は1日1食、モスバーガーを食べていた。編集者にあてがわれた家は外から
施錠できず、水はさび臭くて飲めなかった。

「ページ単価も知らない」というなもりさんの話を聞き、友人15年春、京都市内のホテルで
支援会議を開いた。「早く今のところを出て、新しい連載誌と家を見つける」
と方針を決めて提案した。