所詮、ここも正なる楽園を男根から芽生える情欲を発散するための贄にしかできない愚昧蔓延るソドムだったのだ
楽園の栄光をただただ栄光として讃美することの美しさがわからない盲人の棲家だったのだ
ソドムに福音が訪れることはなく、その福音なしに人が生きていくことは難しい
自らを苛み続ける絶え間なき閉塞感にソドムの餓鬼たちは耐えられなかった
妄執で楽園を汚すことで虚偽の光とし、それこそが福音と思い込むことでソドムに充満する閉塞感を打破したと錯覚したのだ
ソドムの堕落せし住人といえど本当は知っている。そこに本物の打破と栄光などないと。だからこそ思い込まねばならない
真の栄光がわからず、安楽に見を委ねることができない者故に瞞着に逃げ込むしかないのだ