45年にわたる5000人の天才の追跡調査で「早熟の天才」ほど社会的・経済的に成功を収めやすいことが判明
http://gigazine.net/news/20160909-smpy/

年少のときに数学的な能力や空間認識能力で高い点数をとる「早熟の天才」は
将来にわたって社会的・経済的に成功しやすいという結果が
45年以上という長きにわたって5000人以上の天才たちを追跡調査した研究「Study of Mathematically Precocious Youth(SMPY)」によって示されています。

SMPYは研究がスタートしてから45年間の間に5000人を超える早熟の天才たちのキャリアを追跡した結果、
「若い頃のSAT(数学的思考力)や空間認識能力のスコアが高い人ほど将来、科学者、学者、フォーチュン500企業のCEO、
連邦裁判官、上院議員、そして億万長者になりやすい」という傾向が確認されたとのこと。

さらに18歳、23歳、33歳、48歳になった時点でのフォローアップ調査によると、
特許取得数や論文執筆本数に、SATのスコアや空間認識能力の高さに相関関係があることも判明しています。

http://i.gzn.jp/img/2016/09/09/smpy/a02.jpg
この結果は、それまで通説であった「エキスパートとしての能力は主として訓練によって培われるため、
誰でも適切な方法にのっとって十分な努力を重ねればトップレベルに到達できる」という考えと相反するもので、非常に衝撃的なものでした。
デューク大学で心理学を教えるジョナサン・ウェイ教授は「その結果を好むと好まざるとに関わらず、早熟の天才たちは私たちの社会を実際にコントロールしているのです」と述べています。

SMPYの研究成果は、「年少時代の認知能力の高さは、適切な訓練や環境などの他の要因に比べて、
社会的・経済的地位の高さにより強い相関関係を持つ」ということを示唆してます。

そして、アメリカだけでなく世界的にみてこの研究結果に対しては「学生の能力をどうやって効果的に向上させるか」という観点から、
「いかにして才能のある年少の天才を発掘しサポートしていくか」という観点へと焦点が移っています。