あかりはいま、宇宙に飛び出して行ける。櫻子ちゃんはその船体を作るほうだ。思えばあの運動会が、これだけの距離を開いたんだ。運命だよぉ。あかりは、その幸運のほうでよかった。

よし、結論だけ聞いといてあげるよぉ。彼女は壇上をみつめた。学生は淡々と話し続けた。
「以上のような考案に基づいて製作される宇宙船は、もう、いままでのように、特殊な能力を持った乗員を必要としません。どんな平凡な人でも、なんの不便も危険も感じることなく、操作運転できるのでありまーす!」