「私の大事な京子をいじめていたのはお前だったのか!」

結衣は絶叫し
すごい勢いでちなつを障子戸に突き飛ばす
何が起こったのかわからず
外れてぶっ倒れた障子戸に仰向けになって茫然とするちなつに
結衣が馬乗りになり、なんの躊躇もなく顔面に拳を振り落とす
拳を振り落とすたびにゴンッ! ゴンッ!! という鈍い音が響く
「結衣やめてやめてやめてっーーー!」
「結衣ちゃん殴っちゃだめええええええええ」
結衣にしがみついて必死に引き止める京子とあかり
ちなつの顔はみるみるうちに腫れ上がり鼻血が溢れ出す

「ヒックヒック...結衣先輩、許してっ許してぇ.......」
「二度と私達の茶道部に来るな!!お前だけは絶対に許さない」
「結衣、そこまで虐げなきゃいけないことなの?もう昔話でしょ!?」
「謝ってるのに!?いったいどうしちゃったのぉ!??」
「ふたりとも邪魔すんなっ、前からこいつのこと気に食わなかったんだっ!!今まで我慢してたんだよっ!!!」
しがみつく京子とあかりを振り払い、腹を思いっきり蹴り飛ばす結衣、ヴヴうっと腹を抑えてうずくまるちなつ
しばらくしてゲーーゲェーーと口から噴水のように嘔吐を始める

「うわぁーーーんうわぁーーーん 結衣ちゃんもうっやめでえええ!!!」
部室にあかりの泣き叫ぶ声が虚しく響く

その日以来、ごらく部の部室は鍵がかかったままで
二度と使われることはなかった