花子が昔読んでトラウマになった話を紹介するし
『ムカデに食べられた男』というお話だし

昔々、岡山辺りのとある村に凄腕の侍がいたし
ただ、この侍はムカデや虫やネズミといったゲテモノを好き好んで食べていたので、村人達から気味悪がられていたし
そんなある日、侍が可愛がっていた一人娘が湖で遊んでいたら、そこに棲む巨大な大蛇に食べられてしまったし
それを聞いた村人達は「ゲテモノばかり食べるから、ゲテモノの親玉が怒ったんだ。ざまぁみろ」と侍を責め立てたし
娘の復讐に燃える侍は、付き人の「祟られるかもしれませんのでお止めください」と言う忠告を無視して大蛇を退治したし
そしてあろう事か、大蛇を丸焼きにして食べてしまったし
すると突然喉が激しく渇いてきたので湖の水を大量に飲んだら渇きが治まったし
数日後、ゲテモノ食いの侍の噂を聞いた将軍が侍に会いに来て、山奥で仕留めた巨大ムカデを差し出したし
侍は巨大ムカデを完食したが、この前の大蛇の時みたいに喉が激しく渇いてきたので川の水を大量に飲んだし
ところが喉の渇きは治まらずますます酷くなり、侍は苦しみ出したし
すると、侍の目や鼻や口から小さなムカデの大群が次々とわき出して来たし
その異様な光景に戦慄する将軍達を尻目に、ムカデ達は虫の息になった侍の体をあっという間に食べ尽くし消えてしまったし
果たして、これはムカデの祟りなのか、それとも大蛇の祟りなのか、誰にもわからないし
おしまいおしまいだし