>>809

「はあ…はあ…はあ…」

「京子、とりあえず落ち着こう。お茶、持ってくるから…」

「うん…」

「あとでちょっと片付けるね」

「うん…」

そのあと担当さんに連絡して、なんとなくは察していたけど
壊した道具類の代わりを取り急ぎ持ってきてくれることになった。

編集の人もなかなか忙しいみたいで家に来たのは深夜2時ごろだった。
道具は翌日に持ってきてくれるらしく、あとは編集さんがみてくれるという
ことだったので私は帰った。その方がいいと思ったんだ。

編集さんは申し訳なさそうにしていたけれども、京子に負けず劣らず
憔悴しきっているようだった。

深夜3時の車通りのない街頭の中で車を走らせながら、私は今までのことや
学生時代の日々などをぽつりぽつりと思い出していた。

船見でした。