■膨大な電力を消費するビットコイン取引

 だが、ビットコインを支えているブロックチェーン(分散型台帳技術)を動かすコンピューターネットワークが消費する電力が現在、実にデンマーク一国分に相当していることはご存知だろうか。
さらに、このままのペースでビットコインの利用が拡大していくと、
18カ月後にはアメリカの消費電力に相当してしまうとの計算報告もあるほどだ。そして一部の環境ニュースサイトでは、なんと2020年2月までに全世界の消費電力に追いついてしまうとの報道もなされている。

 では、これほどビットコインが電力を消費する理由とはなぜか? ビットコインの取引には、その都度、アメリカの9家庭分が1日に消費する電力が必要とされているが、これは「マイニング(採掘)」と呼ばれる、
全ての取引データの整合性を取りながら正確に記憶する複雑で膨大なコンピューターの計算処理を必要とするためだ。

 現在ビットコインネットワークの計算能力は、すでに世界最速スーパーコンピューター500台を束にした10万倍以上の性能に達しているという。

 インフレが続くベネズエラでは、自国通貨の価値が下がるにつれて仮想通貨人気が高まりマイニング人口も急増しているが、大量に電気を使うため国中で停電となる事態まで起きているのだ。