私がタクシーの運転手だった時の話である
真夜中に白い服を着た女性が手を挙げていたので拾った
「お客さんどちらまで?」と聞いたが女性はうつむいたまま無言だった
とりあえず走らせることにしたが、女性は黙ったまま
「お客さんこの人?」と聞くとゆっくりとうなづいた
そこで冗談半分で「お客さん何年生まれ?」と聞くと
「天保4年…」と初めて声を発した
驚いて後ろを振り向くと、女性は消えていた
その翌日、私は辞職届を出した