夜中トイレに起きると、四人家族がこっそりうちから夜逃げするところだった。みつかったおどろきと申し訳なさを顔に浮かべた母親が、台所にある品物の入った箱をまだ持っていけると小脇にかかえた。
「早く!」父親が上の子を廊下に逃がし、母親と下の子がドアのほうへ出る。
 追いかけるように廊下に出た。「がんばれ! なんとかして生きろ!」幼子の手を握って言った。
「おじちゃんも」心配そうに見る父親と母親の視線のなか幼子は駆けていった。
>>208他見をはばかるものなり。
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