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可変ビットレートで低遅延・安定接続の「aptX Adaptive」、クアルコムが紹介

低遅延で、安定接続の「aptX Adaptive」

 今回紹介されたaptX Adaptiveでは、より安定した接続で、低遅延で伝送され、CDクオリティからハイレゾクオリティで音を再生できる。

 安定した接続のために、アンテナが周囲の無線環境を判断し、ビットレートがCDクオリティの280kbpsからハイレゾクオリティの480kbpsの間で可変する。
干渉しやすい状況であればビットレートを下げ、環境がよければビットレートを上げる。ユーザーは操作せずともビットレートが調整され、接続性が保たれる。

 また、オーディオファイルのヘッダー情報を読み取ることで、再生されているコンテンツが音楽ファイルなのか、映像コンテンツかを判断し、接続性を安定させる。

 仕様上の遅延時間は、2ミリ秒以下だが、Android P AOSP(Androidオープンソースプロジェクト)上のAndroidバージョンを採用した、実際の環境では80ミリ秒〜100ミリ秒を想定している。

 他のaptXとの互換性については、aptX Adaptiveは、従来のaptX、aptHDの機能を含み、下位(後方)互換性がある。aptX Low Latencyは、aptX Adaptiveが置き換わる形になる。

 対応するBluetoothオーディオチップセットは、「CSRA68100」および「QCC5100シリーズ」で、市場で搭載製品が販売されるタイミングは2019年の中頃を予定している。

スマホにイヤホンジャックが搭載されなくなっていることが開発背景

 aptXを担当しているDirector,Product MaketingのJonny McClintock(ジョニー・マクリントック)氏は、「日本はオーディオ分野でリーダーであり、9月の初めに発表したが、できるだけ早く日本で紹介したかった」と述べた。
aptX Adaptiveの開発経緯については、スマートフォンへイヤホンジャックが搭載されなくなってきていることや、電車内など、Bluetoothを使用するユーザーが多く、干渉してしまうことなどから開発に至ったという。
プラグを指せばシンプルに動作する有線接続のようにワイヤレスでもユーザーが意識せずに使えることを想定したという。

 他のBluetoothのコーデックについて同氏は、ほかにもコーデックはあるが、理解している限りでは、ここまでの接続の堅牢性を提供しているものはないという。

 これ以上、音の遅延を少なくする余地については、Bluetooth側の物理的な問題で、完全に遅延をなくすことはできないとしたものの、少なくする取り組みは今後も継続していくと説明した。
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