抗インフルエンザ薬 アビガン COVID-19の国産初の治療薬として有望視

アビガン(Avigan)(ファビピラビル Faviparavir)は、2014年に日本で
承認された抗インフルエンザウイルス薬である。しかし新型インフルエンザ
が発生した場合にしか使用できないため、市場には流通していないが、
新型インフルエンザの流行に備えて国が200万人分を備蓄している。

アビガン(ファビピラビル)は、インフルエンザウイルスの遺伝子複製酵素
であるRNAポリメラーゼを阻害することでウイルスの増殖を抑制する薬剤
である。COVID-19を引き起こす新型コロナウイルス(COVID-19)もインフル
エンザウイルスと同じRNAウイルスであることから、効果を示す可能性が
あると期待されている。

2020年3月31日、アビガンの製造元の日本では富士フイルム富山化学は、
CIVID-19を対象に第3相臨床試験を開始したと発表した。臨床試験登録サイト
に掲載されている情報によると、対象は重篤でない肺炎を発症したCOVID-19
患者約100人で、肺炎の標準治療にアビガン(ファビピラビル)を投与した
場合の効果を検証する。

4月18日、藤田医科大学の土井洋平教授は、日本感染症学会の緊急特別
シンポジウムで新型コロナウイルス感染症にアビガンを投与したところ、
投与開始14日後に重症患者の6割が改善、軽〜中等症では9割の患者で改善
が認められたと発表した。この発表は、全国約200医療機関が参加し、
中等症から重症患者を中心に登録が進められている迅速観察研究を基にした
ものだ。

◎観察研究の対象は、346例

解析対象は、346例(男性:262例、女性:84例)。ファビピラビルに
催奇形性の副作用が知られているほか、新型コロナウイルス感染症は男性の
比率が高いことから、男性の登録が多いものとみられる。
 年齢は、50代が25%で最多。60代(22%)、70代(20%)、40代(13%)
と、比較的高齢者を中心に投与されている。合併症は心血管疾患が30%、
糖尿病が26%、慢性肺疾患(COPD)が14%、免疫疾患が6%で、いずれかを
合併する患者は53%と半数超だった。体温は37.5度以上が55%、37.5度未満
が32%だった。肺炎は両側性が83%、片側性が5%。「酸素飽和度(SpO2
)≦90%または酸素投与」は60%、高齢者は30%、脱水は28%、意識障害は
11%、収縮期血圧値≦90が1%で、重症患者が多く含まれた。

◎中等症は7日後に66%、14日後に85%改善

 ファビピラビル投与後の転帰を、主治医の主観で「改善」、「不変」、
「増悪」にわけて評価した。軽症では投与開始7日後に70%、14日後には
90%に改善が認められた。中等症では投与開始7日後では66%、14日後では
85%だった。重症でも投与開始7日後に41%、14日後には61%が改善した。
ただし、重症例では「悪化」が投与開始7日後で34%、14日後では33%
だったとしている。なお、軽症は酸素投与がない患者、中等症は酸素は
投与しているが機械換気がない症例、重症は機械換気がある症例と定義して
いる。

https://blog.goo.ne.jp/imssr_media_2015/e/7da653067d9ca3167a79bcdc940ec328
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