昨年と同じカードとなっていたNBA東地区決勝は29日にマサチューセッツ州ボストンで第7戦を行い、第8シードのヒートが昨年3勝4敗で敗れている第2シードのセルティクスを103―84(前半52―41)で下して4勝3敗。3連勝しながら3連敗を喫して敵地で第7戦を迎えるという“逆王手”をかけられての最終戦だったが、3年ぶり7回目のファイナル進出を敵地で決めた。

 この日28得点をマークしたジミー・バトラー(33)が東地区決勝シリーズのMVPに与えられるラリー・バード・トロフィーを獲得。ドラフト外入団で4シーズン目のケイレブ・マーティン(26)はフィールドゴール(FG)を16本中11本(うち3点シュートは6本中4本)成功させ、プレーオフ自己最多の26得点をマークして不利と見られていた敵地での最終戦をものにした。

 ヒートはプレーイン・トーナメント初戦で東地区全体8位のホークスに105―116で敗れながらも“セカンドチャンス”で9位のブルズに102―91で勝って巻き返し、タイラー・ヒーロ(23)とビクター・オラディーポ(30)の主力ガード2人を故障で欠きながらも東地区を制覇。第8シードのファイナル進出は労使紛争による短縮シーズンだった1999年のニックスに次いで史上2チーム目となった。

 ただしヒートの東地区全体の成績(44勝38敗)は7位で、地区7位のチームがファイナルに進出するのはプレーオフが12チームから16チーム制になった1984年以降で初めて。6月1日に始まるファイナルでは西の第1シード、ナゲッツとの“頂上決戦”に臨むことになった。

 ファイナルでレイカーズに並ぶ17回の優勝を果たしているセルティクスは3連敗のあと白星を3つ並べて食い下がり、NBAでは史上初となる3連敗からのシリーズ逆転を狙ったがホームで苦杯。第2Q途中での最大17点差を第3Q中盤で8点差まで縮めたが、勝負どころの第4Qで18―27とリズムをつかめず、2年連続のファイナル進出はならなかった。

 第1Q最初のプレーで左足首を痛めたジェイソン・テイタム(25)は14得点どまり。ジェイレン・ブラウン(26)は19得点、第6戦で劇的なブザービーターを決めたデリック・ホワイト(28)は18得点を挙げたものの後半で勝機は見いだせなかった。チームの3点シュートは試合開始から12本連続で失敗。大事な試合で成功率は21・4%(42本中9本)と精度を欠き、50・0%(28本中14本)を記録したヒートに“大差”をつけられた。

 これでNBAのプレーオフの7試合制のシリーズで0勝3敗となったチームは全151チームが敗退。セルティクスは0勝3敗発進のあと3連勝したチーム(過去3チーム)では唯一、第7戦をホームで迎えていたが、それでもシリーズ突破確率「0%」という厚い壁に跳ね返された。

 今季の王者を決めるファイナルは6月1日(日本時間2日)のナゲッツの地元デンバー(コロラド州)でスタート。右手を痛めて17試合連続で欠場しているヒートのヒーロはファイナルでは復帰すると見られている。最も低いシードで優勝したのは1995年のロケッツで西の第6シード(東の第1シード・マジックに4戦全勝)。ヒートがナゲッツを倒すと現行方式のプレーオフで初となる〝最下位シード〟からの頂点到達となる。
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