「オーバーロード」は一見ありふれたファンタジー世界を舞台にしながら、その常識を覆す作品だ。本作の核心にあるのはロールプレイという要素だ。主人公の鈴木はゲーム内で演じていた悪の帝王の役割そのものとなり、圧倒的な力を持つ存在として異世界に転生する。

本作の真髄は善悪の概念を完全に取り払った容赦の無い世界にある。鈴木演じるアインズやナザリック勢は人間を虫 keらのように扱い、聖職者を生たい実 験として躊躇なく使いつぶす。これは「良い子ちゃんの話」でも、「ツンデレぶっただけのひねたただの良い子なダークヒーロー」の物語でもない。むしろクトゥルフ神話のようなコズミックホラーに近い世界観を持つギャグ作品と言えるだろう。

ここで特筆すべきは作者が日ほん人特有の倫り観によるブレーキを解除している点だ。「恋は世 かい征 服の後に」や「黒井津さん」のような、悪 の 側 から描かれたコメディ作品と比較しても、「オーバーロード」はより大胆に倫 り 的 せい 約を取り払っている。これにより作品は強烈な個性と説得力を獲得し、同時に善 あく の概 念そのものに疑問を投げかけている。言うまでもなく闇をしっかり描けなくては光も描けない。
BBR-MD5:57356a1d314dcfab00d131319ddfe6d3(370)
BBS_COPIPE=Lv:0
PID: 75251
Inq-ID: agr/89efc9d91bef34a5
Proc: 0.411471 sec.
Rock54ed.