『ヴェノム博士』(――はかせ)とは、コナミの代表的シューティングゲーム『グラディウス』シリーズのMSX版第2作『グラディウス2』(1987年)に登場した悪役である。
『2』以降もさまざまなコナミ作品に登場する。
 
ヴェノム博士の略歴
  
グラディウス暦6625年生まれ。グラディウス星の南半球に住む、超能力(リークパワー)を持つ先住民族「リーク人」の出身。
グラディウス帝国内においてリーク人は冷遇されてきたが、バクテリアン軍との2回目の戦争「闇の女神戦」(グラディウス歴6658年/グラディウス1のこと)後に、リーク人初のグラディウス帝国宇宙科学庁長官に就任。
リークパワーのエネルギー効率を飛躍的に高めるための「ハイパードライブシステムII」開発の陣頭指揮をとり、帝国国防省の開発するビックバイパーの後継機『メタリオン』の開発にも宇宙科学庁長官として多大な貢献をした。
   
しかしグラディウス歴6664年、ヴェノム博士を始めとする10名はクーデターを決行。が、17代皇帝ラーズの勅令によるグラディウス軍緊急出動により鎮圧された(グラディウス リバース)。
ヴェノム博士らは逮捕されクーデターは失敗。軍事裁判ののちヴェノム博士らは惑星サードへと追放された。
決起の背景にはこれまでの帝国政府によるリーク人冷遇政策への不満があるとされる。
第一次バクテリアン戦争(北十字戦)以降、リークパワーの「発見」により、帝国政府の対リーク人政策は冷遇から保護・厚遇へとシフトしていたが、
グラディウス人とリーク人の間の人種・民族間の対立、リーク人のグラディウスそのものに対する不信は根深いものであった。
こののち皇帝暗殺の動乱もあり、この混乱を突いてヴェノムら10名は第三者の荷担によって惑星サードから脱出逃亡し、行方不明となった。
    
グラディウス歴6666年、惑星グラディウスのネオ・スペースプラント7惑星からの通信が完全に途絶。のちに「サイレント・ナイトメア事件」と呼ばれる(グラディウス2)。
侵略者は脱走後バクテリアン軍に逃亡したヴェノム博士であった。
「サイレント・ナイトメア事件」の後も6709年のサラマンダ軍による侵攻、6809年の侵攻(ゴーファーの野望 EpisodeⅡ)などグラディウスへの攻撃を企てるが、いずれも失敗に終わっている。