さて、サミット(トランプのちゃぶ台がえし)と米日会談(共同宣言の署名を軸として)
をめぐって、たぶん皆様も気づいておられることを整理してみたい。
 ちなみに「ちゃぶ台」は、ましてや「ちゃぶ台がえし」も「巨人の星」で終わったのかし
ら?

 テレビには自社映像は皆無で素人談義(スタジオにいるのだから現場に行っておらず、行
っている信念の人への共感すらない)、新聞は完全に「情報源はSNS」の時代に入り、こう
して自分の首を締め、再販制度に固執し、その温存のなかで莫大な読者獲得合戦のための経
費ーー違法だろっーーじゃぶじゃぶ、という現実。
 5点に絞って示してみたい。

 1.)シャルルボワ・サミットに間抜けな遅刻をしてきたトランプの「ちゃぶ台がえし」によ
り、すべてがオジャンになった、と見えもするが、G6その他の首脳に、トランプという人
間が強烈に認識された一連の経緯ともなり、本日の米北首脳会談も、超大国のアメリカが、
独裁超小国の北朝鮮と、ずっと対等にしていなければならなかった。G7を舐めきったトラ
ンプの自業自得も、すべてSNSによって広がり、写真も不満も当事者から流されるものを、
新聞は1日遅れで引用するだけになっちゃった。

 2.)自分で遅れてきて承認もした首脳宣言を、閉幕後3時間でチャラになったのは、主催
国カナダのトルドー首相がトランプの"悪口"(自動車関税について宣言承認後にトランプが
覆したこと)について述べたからだと幼稚園児なみのツイートを、トランプ自身が露骨に流
した。すぐ続けて、「首脳宣言に私は反対する。自動車の関税措置を再検討したい」とも付
け加えた。ほへ。
 外交のガの字も知らぬトランプに全G6首脳が頭をかかえ、世界中の我々は腹をかかえた
のである。

 3.)マスコミを通じてではなく、ツイッター(担当の部下)からサミット(アメリカを除
く)全首脳は2.)の事実を知り、翌朝にさっそく全員で保育園児トランプに詰め寄った写真
が、これもまたマスコミ立ち入り禁止ゆえでもあるが、完全なる情報開示となった。メルケ
ルがインスタグラム(写真共有サイト)に投稿したのだ。6カ国首脳が腕を組むトランプを
取り囲み、説得するシーンである。
 サミットや諸国協調を軽視しすぎのトランプが逆に、世界と自国民の多数に見限られて
いる。哀れ!

 4.)北朝鮮初の対外情報はラジオしかないので、関係の必要な国々はその傍受と「分析」に
余念がない。この逆転状況が、情報の流れを一層激変させている。

 5.)北朝鮮に核兵器を打ち込む、とか、思い知れ、金正恩との首脳会談は中止、と5月24
日にツィターで言い切っていたトランプは、韓国大統領と緊急首脳会談(長く準備されてい
た4月の約1カ月後!)をリアルに開かれ、SNS依存症のトランプ(オバマもそうだった
が利発だった)は本日、金正恩をわざわざ訪ねて来ざるをえない仕組みに完全にはまった。
中立のシンガポールまで尽力したのに、これ以上のワガママやバカはできなくなっていた。
 そうしてつい先ほどトランプは、「金正恩は紳士的で、核兵器絶滅に向けて真摯にとりく
んでいた。我々は友人だ」とツイートし、これも早くホスピタルに行ったほうがよい彼の病
状が、他諸国の結果を良くしている皮肉な現実があるーー。