「ネット書き込み削除に新基準」、「コピー」の扱いなど課題に

 インターネット、電子掲示板を巡る名誉棄損やプライバシー侵害が問題となっている。
法務省とプロバイダー(接続業者)関係団体は人権侵害につながる書き込みを削除する自主基準を作成した。
 削除基準を設けたのはテレコムサービス協会、電気通信事業者協会、日本インターネットプロバイダ協会の三団体。
2002年5月に施行された「プロバイダー責任制限法」のガイドラインを改正し、被害者に代わり法務省などが削除を依頼できるようにする。
 通信事業者は通信の秘密を守る立場にあり、掲示板などの書き込みを勝手に消せないため、発信者と被害者の板挟みになるケースが多い。
プロバイダー責任制限法は、通信事業者が被害者からの依頼を受け、名誉棄損、プライバシー侵害、著作権法違反の恐れがある場合、
書き込みを削除したり、発信者の情報を開示したりできるようにした。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

法務省が人権侵犯事件として扱った件数
99年 17件
00年 21件
01年 39件
02年 75件
03年 91件
04年(1-6月) 96件

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 特に話題の多い電子掲示板「2ちゃんねる」も法令の適用は受けるが、ガイドラインには拘束されない。
運営者の西村博之氏は「問題のある内容は自主的に削除している」と説明する。
仮に被害者が発信者を訴えようにも、相手を特定するのにプロバイダーを順番に訴えていく必要があり、時間がかかるという。
 さらにやっかいなのがサーバーに残された複製物の削除だ。
インターネットには表示速度を速めるため「キャッシュ」と呼ばれる複製技術が使われており、最近ではファイル交換ソフトまで普及した。
第三者が興味本位で自分のサイトにコピーを置く場合も多く、それらの複製物をすべて削除するのは至難の業だ。
 法的には表現の自由との兼ね合いも問題になる。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ネットの利用者一人ひとりのモラルが問われている。

04/08/13 日経夕刊、3面、ニュース(なるほど) 

耳が痛いな。