蛍の光のメロディーが流れる中、学校のとある場所で友達との思い出話に花を咲かせる。
僕はこれから、他県の高校に進学するが、それは小学校入学以来9年にも及ぶ付き合いを持つ友達との別れも意味していた。

「何か思い出に残ることをしたい」
そう思った僕は、中学生としての最後の日ということもあって、今日だけ持ち込みを許されていたPSPを取り出した。
「これ、PSPだけど……」
そう言ったとき、1人が笑みを見せた。
そして、彼もPSPを取り出した。それを皮切りに、他の友達もPSPを取り出していく。

どうやら、みんな考えは同じだったようだ。
そうして、全員がPSPを取り出すと、僕たちはPSPの中に入っている、自分の姿が写った写真を交換し合った。画像データを送受信できるPSPだからこそ可能なことだ。

気がつくと、他の卒業生は帰途についていた。

別れ際に「次にみんなで会えるのは成人式だ。五年後、また会おう」と固く約束した。

必ず、僕らはまた会えるだろう。この思い出のPSPを目印にして。