●米で寒波46人死亡 対日農産物輸出に影響も

  【ポートランド16日枝川敏実】米国の中部から北東部を中心に、先週末から続く寒波の被害が深刻化している。
十六日夜(日本時間十七日午後)現在、オクラホマやアイオアなどの七州で四十六人が死亡。数十万世帯が停電
している。また、西部のカリフォルニア州では、主要農産物のかんきつ類が甚大な被害を受け、日本への輸出に
影響する可能性も出ている。

 最も大きな被害が出ているのは中部のオクラホマ州。降雪と路面凍結で交通事故が多発し、氷の重みで電線
が切れ、十万世帯以上が停電した。同州デルシティーでは、学校の体育館が雪の重みで倒壊。州では最多の
十七人が犠牲となり、連邦政府は同州に非常事態を宣言、災害用基金を利用した支援に乗り出した。

 東部ニューヨーク、ニューハンプシャー両州でも十六日にかけて二十万世帯近くで停電が発生。ニューハンプ
シャー州では発電施設が強風で故障し、復旧が十八日まで持ち越される地域もある。

 カリフォルニア州では氷点下が続き、収穫間際のオレンジやアボカドなどに霜がかかった。AP通信などによれば、
かんきつ類の四分の三が出荷できなくなり、被害総額は「十億ドル(千百五十億円)」(州当局者)に上るとの見方
が出ており、七億ドルの損害を出した一九九八年の寒波被害を上回る可能性も出ている。