ひろゆき偉くなったな

中央銀行トップに求められる資質=西村博之(08/3/15)
http://veritas.nikkei.co.jp/features/10.aspx?id=MS3Z1500E%2015032008

世論は往々にして何らかの対策を求める。世論に迎合せず、あえて行動を起こさない選択をするには
相当の確信が必要になる。中央銀行のトップに並はずれた専門性が必要とされるゆえんだ。

 日銀の幹部2人は最近、こんな会話を交わしたという。

 「いま中央銀行に求められるのはハイエクの思想。断じてケインズではない」

 「そう。あえて行動しない勇気も時には必要。不作為を許す寛容さが、成熟した民主主義国家には必要だ」

 市場の不完全さを指摘し、政府による介入の必要性を説いたケインズ。そのケインズの論敵で、
当局による経済への介入を徹底的に批判し中央銀行は不要とまで唱えたハイエク。
対照的な2人の経済学の巨人を引き合いに出しハイエクに軍配を上げた会話からは、
日銀内に漂う「迷い」をかぎ取ることができる。

 サブプライムローン問題で金融市場が動揺した昨夏以降、米連邦準備理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)
をはじめ、各国の中央銀行は異例の大幅利下げや流動性対策を打ち出している。
 米欧などの金融・資本市場の動揺は、日本の比ではない。実体経済にもじわじわと影響が及び始めており、
大胆な対策をとらざるを得なかった各中央銀行の立場を日銀は十分に承知している。しかし、一方で日銀は、
一連の対応が果たして市場混乱を沈静化するベストな解であるのか、じっくり検証する必要も感じているのだ。