幻のメッセージソング発見/刺殺された17歳が残す

千葉市で2007年9月、当時14歳の少年に刺殺された
千葉県立高3年鈴木健太さん=当時(17)=の遺品から、
犯罪撲滅を願う自作のラップソングを録音したカセットテープが見つかった。

「近ごろ多い少年犯罪 きちんとした意味もなく人殺して
年関係なくそれはもう人殺しで まだ幼いのに何してんだ 親や教師は何してたんだ」。
まるで自身の事件を予見したかのような歌詞に衝撃を受けた遺族から、
「健太の死を無駄にしたくない」と共同通信にこのほど寄せられた幻のメッセージソングだ。

題名は「今の世の中」。
中学時代に書いた作文から、04年に長崎県佐世保市で小6女児が同級生に
切られ死亡した事件が作詞のきっかけだったとみられ、亡くなる1年ほど前に作詞。
無伴奏で、凶悪犯罪に揺れる社会を変えたいとの思いが切実に歌い込まれていた。

物置にしまってあった健太さんのラジカセの箱の中から、母正子さん(50)がテープを発見。
再生すると、思いがけず健太さんの歌声が流れ出し、涙が止まらなかったという。
正子さんは「二度とこんな事件は起きてほしくない。多くの人に聞いてもらえたら」と胸の内を語っている。