男子ゴルフ 谷口徹が復活V「(石川遼だとか)世代交代100年早い」

 「ANAオープン最終日」(20日、札幌GC輪厚コース)

 首位で出た谷口徹(41)=フリー=が2バーディー、2ボギーの72で回り、通算16アンダーで今季初勝利を挙げた。
07年日本オープン以来の勝利でツアー通算15勝目。今季の目標に「ストップ・ザ・石川遼」を掲げた。
逆転Vを目指した中嶋常幸(54)=フリー=は4打差の2位に終わった。石川遼(18)=パナソニック=は2イーグル、
2バーディー、3ボギー、1ダブルボギーの71で通算5アンダーの18位だった。

 過去2度賞金王に輝いた“強い谷口”が戻ってきた。2位に3打差で迎えた13番。残り120ヤードの第2打をPWで
ピタリとピンに寄せるバーディー。「あれで勝利を確信した」。最終18番、ウイニングパットを沈めた41歳は力強い
ガッツポーズで、2年ぶりのツアー優勝の感激に浸った。

 「うれしいというよりホッとした。これで勝てなかったら、家に帰れないところだった」。この日は娘・菜々子ちゃん(3)の
幼稚園の運動会だった。前夜は電話で「ナナも頑張るからパパも優勝してね」とお願いされたという。「これまで何度も
娘との約束を守れなかったから」。一時は2位の中嶋に2打差に迫られたが、愛娘の言葉を思い浮かべて耐え抜いた。

 ANAオープンには特別な思い入れがある。92年のこの大会でツアーデビュー(予選落ち)。04年大会では、
当時ANAの客室乗務員だった亜紀夫人と運命の出会いを果たした。07年の2度目の賞金王から一転、昨年は
故障も重なり未勝利。今季も開幕前に交通事故で左肩を脱臼し、3試合を欠場した。苦難を乗り越えての復活Vは、
再びこの大会が舞台となった。

 40代になって初めての勝利でもあるが「年齢の自覚は特にないよ。気分は31歳くらいで止まっている」とニヤリ。
「僕が不調の時に『世代交代』とか言っている人間がいたようだけど、まだまだ100年早い。威圧感を与えておかないと」と、真顔でクギを刺した。

 賞金ランクは8位に浮上。残り試合の目標を問われると「そりゃ遼クンでしょう」と即答した。石川とは
約5500万円の差があるが、「簡単には(賞金王を)取らせない。これからでも十分にいける。そのための
1勝なんだから。来週(パナソニックオープン)も2勝目を目指して頑張りますよ」ときっぱり。「ストップ・ザ・遼」へ、
百戦錬磨のベテランが力強く名乗りを上げた。
http://www.daily.co.jp/golf/2009/09/21/0002368958.shtml