「忘れた」と逮捕時から名前を隠し続け、窃盗罪などに問われた無職の男(34)の初公判が8日、佐賀地裁であった。
起訴内容は認めたが、伊藤ゆう子裁判官に名前を聞かれても「分かりません」と返答。やはり素性は明かさなかった。
 「弁護人は不要と接見に一度も応じない」と弁護人も困惑気味。弁護人としての認否の主張もできず、
裁判官が「法律上、裁判をするには弁護人が必要です」と被告をたしなめる一幕もあった。
 検察側の冒頭陳述によると、男は「松田宣明」被告。静岡県出身で山形大学を除籍された後、
平成11年から競艇やパチンコをしながら徒歩で全国行脚。金がなくなれば車上荒らしなどを繰り返していたという。