★5の特上。
 著者の9冊目
 『暗澹』は、全3話と、レクイエム寸前な母子のセレナーデな番外編『柚子』まで。
 無理矢理快楽を植え付けられつつも、最後の最後まで精神が堕ちない若葉の黄金の意志が、そこにある残酷さを凄まじいまでに際だたせる。
 タイセツナモノを次々に奪われてもなお、弟という一縷の希望を鼻面にぶら下げられている限り、若葉にはこの地獄絵巻を自らの手で断ち切ることなどとわにかなわない。
 ふるえながら男根にほおずりし偽りの懇願をつづける最終3話のラストはまさに悲惨の極北。

 キモイを通り越したストーカー青年から友人をまもった黒帯女生徒『沙希』の地獄の三丁目『啓示』は、己が処女血と糞尿にまみれつつも決死の送り襟締めを繰り出す沙希の果敢な抵抗がさらなる被虐世界をうむ。

 注射で肥大させ、真珠やシリコンを埋めまくった、グロくて巨大なイチモツをもつ姉と、自らの肉の悲鳴さえも歓びとして遮二無二姉を人形扱いする妹の、果てしなき肉欲のどぶ泥と、決して他者が立ち入ることのできない狂気な愛の領域『比翼連理』。

 ほか、カラーイラスト4頁。

 『暗澹』『啓示』は、著者の十八番な不幸地獄の最果て系。『比翼連理』は5冊目『外道』収録の『日記シリーズ』タイプな狂気な愛のカタチ。

 成コミ初心者な方は絶対に触れてはいけません。

 一般的な凌辱・調教劇のファンの方でも軽々しく手を出すべき本ではありません。

 不幸ドラマの最果てで蛆虫みたいに足掻く救われない女の子たちの悲哀と、狂気を愛し残酷な神が支配するオイスターの地獄絵巻な世界を覗いてみたい方へ。


レビューが胸熱だな。まぁ、Mateで読んでるからいらね  でどうしたいんだ?