>>626
なんか過去のDQN自慢大会になっちまうが、俺も似たようなクチだな。
頭文字Dが大ブレイクした90年代半ば、俺はフルチューンのPS13に乗っていた。
食費削ってガソリン代とオイル代に注ぎ込むのは当たり前。ボーナスは全部改造費。
首都高、湾岸、峠、サーキット、、、あらゆるステージをためした。
OPTION等の雑誌にも掲載され、24時間365日、頭の中は車、くるま、クルマだった。

「PS13が恋人」
「人は嘘をつくけど機械は嘘をつかない」
「道交法が間違ってるんだ。俺は正しい」
そんなバカみたいなセリフを恥ずかしげもなく発していた。
事故を起こさなかったのはほんっとたまたま。
「あ、死んだ」と思ったことは何度もある。

そんな俺も30代になって体力と視力の限界を感じ、引退を決意した。
走り屋を引退するのであって、車の運転をやめるという意味ではない。
つまり走り屋だった頃は車を運転することが目的だったが、それが移動手段に降格したということ。

そんな俺にも寄り添ってくる子がいたんだな。
同じ部署で違うフロアの後輩で、普段はほとんど会話することもなく気にも留めていなかったんだけど、
脳みそから車の成分を除去して女として見たら、結構いいお嬢さんに思えた。彼女曰く、
「俺君って凄い情熱家で、仕事も遊びもほんっと真剣ですよねえ。」
ああそうさ。いくら車バカでも、公私の区別はつけていたからな。
バリバリ働いてバリバリ稼いで、その金でバリバリ遊ぶのが俺流さ。
それを認めてくれただけで俺は満足。

結局PS13を手放して彼女と結婚した。そこには何の迷いもなかった。
今は古い型落ちのレガシィのMTに乗っている。
嫁も子供も「パパの運転は早くて上手い」と言ってくれるのが何よりだ。
実践したわけではないけど、例のコップの水をこぼさない運転をずっとイメージし、鍛えてきたからな。
息子よ、早くて上手い運転を本当にマスターしようと思うなら、高校生になったら物理を選択してくれ。
ma=F、a=v^2/rとベクトルの合成を脳内でイメージしながら車を操れるようになってほしい。