>>487
公式的な物語が圧倒的に普及し、戦時中の徹底的な検閲があったために、本書評の冒頭で述べた、
「殺せ、殺せ」の連呼は、「悪辣」かつ「ファシスト」のドイツと日本が言ってるのだと思ってしまうだろう。
しかし、歴史に盲目にされている人々は驚くだろう。
冒頭に引用した残虐な言葉は、実は連合国側、つまり民主主義の名の下に戦っていた人々の口から出たものなのだ。

連合軍は戦争捕虜や民間人を殺害していた。
多数の人が餓死した強制収容所に倍する数だった。
捕虜になって監禁された兵は、「騎士的な赤軍」によって反復的な拷問を受け、最後には死ぬか、
まったくの冤罪の告白するかのいずれかを選ばなければならなかった。

虐待があったという報告が大手メディアに入って来たことが分かると、
米国の官僚とアイゼンハワー将軍は、米国人による悪行をただちに否認し、
それはドイツ人(日本人)の仕業だったと責任を転嫁するのだった。