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ドイツに於て民族の統一領域の修正、經濟的資源の獲得が叫ばれるのはその爲である。
ドイツ人は善戰民族であり、その復讐戰を豫防するには、これを去勢するに如かずと考へたフランスは、
聯合国の牛耳をとりつつ、ドイツの軍備を極度にまで縮小させた。
ドイツが聯盟及び軍縮會議を脱退し、軍備平等の爆彈を投げつけたのも何も不思議はない。
そういふ不公平な待遇を受けてゐるドイツが、現狀を打破せんとするのは寧ろ至當であって、
フランス及び與国が、ドイツを壓迫しつつ、現狀を維持せんとすればする程、
第二の歐洲戰爭は結局これを免るるを得ない運命になる。

日本は人口と資源の分配に於ては、世界中最も不利な立場にある。
然るに日本人にして海外に發展せんとすれば『日本人入る可らず』の高札は立てられ、
廉價にして優良なる日本製商品は、至るところに於て不當な壓迫を蒙り、
極東大陸への發展さへもその手足を縛られてゐる。
滿洲事變はこれが爲に起ったのだ。
そして日本の生存を阻止せんとしつつあるのが今日の現狀である。