ガルシア・マルケスあれこれ


★スティーヴ・エリクソン

─ あなたの作品をはじめて読んでまず思ったのは、「この作家はフィリップ・K・ディックとラテンアメリカ文学を読んだフォークナーだ」ということだったんですが。

エリクソン 僕もまさにそういう反応が出てきていいと思うんだが、アメリカではまずそう読んでもらえない。
較べられるのはたいてい、J・G・バラードとトマス・ピンチョン。バラードはほとんど読んでいないし、ピンチョンは素晴らしい作家だと思うけれど僕とは全然違う。
一番影響を受けているのは、君が言ったようにフォークナー、ディック、ガルシア=マルケス、それにヘンリー・ミラー、エミリー・ブロンテ。
ずっと前、漱石の『こころ』とブロンテの『嵐が丘』を二晩で読んだのは強烈な体験だった(笑)」
『愛の見切り発車』柴田元幸



★安部公房について綴ったマルケスの文章

来日した折り、辻井喬や大江健三郎らと会合を持ったことに触れ、
「安部公房だけが見あたらなかったが、彼は後日、ひとりきりでやってきて私を誘い出し、プライベート・クラブのひっそりとした片隅で話をした。
私はそれまでお茶とビスケットだけを取りながらあんなに笑ったことはなかったように思う。」
(「アミーゴ健三郎」(田村さと子訳)《新潮》平成7年3月号)



★ローズ奨学金を受けオックスフォード大学に留学中のビル・クリントン

講義中、熱心に「百年の孤独」を読むクリントンを見咎めた教授が声をかけた。
「クリントン君、さっきから読書に夢中なようだが…どうだろう、その本は私の講義よりも大事なものなのかね?」
クリントン「もちろんです、教授!」

ドヤ顔が目に浮かぶようだ