キャップとは、気矢通風の意。
その起源は、江戸の地で行われていた剣術試合にまで遡る。
当時常に勝者の座に君臨していた剣術家に、俺御前 大五郎と言う男がいた。
ある時、大五郎は試合の相手の策略により、試合場にて弓を射られる。
だが、矢の通る際の風を切る音に気がついた大五郎は、これを寸でのところで躱したという。
この事から、騙まし討ちを事前に気がつき回避する事を「気矢通風」
転じて、キャップと呼ぶようになった。
[民明書房「江戸の剣術百戦」より]