ところが、果樹園の持ち主は財政ピンチだったのです。

ある人に頼んで、団体客の中に扇動者を潜り込ませました。
蜜柑の実をもいで「ひとつくらいいだろう。ああ、美味い。」と言わせたのです。

それをきっかけに、蜜柑の木は丸裸になりました。

果樹園の持ち主は被害状況をマスコミに知らせ、取材陣が押し寄せました。
その結果、借金取りは催促をためらい、同情が寄せられた所為で
無事だった蜜柑は残らず売れたのでした。