【独自】ネット中傷対策、侮辱罪に懲役刑導入へ…テラハ事件では科料わずか9千円
https://www.yomiuri.co.jp/national/20210829-OYT1T50260/

 インターネット上での 誹謗ひぼう 中傷対策を強化するため、法務省は刑法の侮辱罪を厳罰化し、懲役刑を導入する方針を固めた。来月中旬に開かれる法制審議会(法相の諮問機関)で同法改正を諮問する。罰則の引き上げに伴い、公訴時効も1年から3年に延びる。

中略

 侮辱罪は、公然と人を侮辱した行為に適用される。具体的事例を示して人の社会的評価をおとしめる名誉 毀損きそん 罪に対し、事例を示さずに悪口を言っただけでも成立する。

中略

 同省は昨年6月にプロジェクトチームを設置し、罰則のあり方などを検討。SNSなどでの中傷は不特定多数から寄せられる上、拡散してネットに残り続けるなど被害が深刻化しており、懲役刑の導入は必須と判断した。その上で、侮辱罪は対象となる行為が広いため、名誉毀損罪と同じ「3年・50万円以下」とはせず、「1年以下の懲役・禁錮」と「30万円以下の罰金」を追加することにした。

 また、刑事罰を科すには投稿者を特定する必要があるが、投稿者の情報を開示する手続きに時間がかかり、時効が過ぎることも課題になっていた。厳罰化により、時効も名誉毀損罪と同じ3年に延びるため、摘発が可能な事件が増える可能性もある