宮城県内の陸上自衛隊駐屯地で複数の上司から女装を強要させられたり、キスをされたりするなどのハラスメントを長年受け、心的外傷後ストレス障害(PTSD)や適応障害を発症したとして、県内の30代男性自衛官が27日、仙台市内で記者会見し公務災害を申請したと明らかにした。

 男性によると、入隊直後から直属の上司らに女性のようだとからかわれ、歓送迎会や忘年会のたびに繰り返し女装を強要された。その際、キスに加え体を触られるなどした。他にもたばこの火を胸に押し付けられたり、整備工場のクレーンで数メートルの高さにつり上げられたりしたこともあった。男性は「(他の)上司は笑って見逃してきた。自衛隊の隠蔽体質を変えていきたい」と話した。

 男性は2022年に証拠写真を添付して上司に数十件分のハラスメントの調査を依頼したが、いずれも認定されなかった。24年12月、公務災害の申請書類を送付。現在は通院しながら勤務を続けている。

 書類の送付先の駐屯地は「事実確認中。コメントを差し控える」としている。