https://news.yahoo.co.jp/articles/973672f57de4053edd75ea2f6b17fa30caedb702

バッグの中がごちゃごちゃしている人、あなたの周りにもいませんか? それとも、自分のバッグがいつもパンパンで、必要な物がすぐに見つからず、イライラした経験はありませんか?

バッグの中が整理できない状態は、実は発達障害の一種であるADHD(注意欠如・多動症)に関連していることがあります。

ADHD専門のカウンセリングルーム「すのわ」代表であり、臨床心理士・公認心理師の南和行さんが、ADHDの方に多く見られる「バッグの中が片付かない」問題の背景と、その具体的な対処法について解説します。

記事【ADHDの大人の「中身が散らかったバッグ」に共通していること…「荷物が多い」のに必要なものが見つからない「原因」】では、ADHDの方に多く見られる“バッグの中が片付かない”という悩みについて、その背景にある特性や整理のコツを具体的な事例を交えてご紹介しました。今回は、そんなADHDの人にとっても使いやすいバッグの特徴について詳しく解説します。
悪いのはあなたじゃない。原因は“バッグの構造”かも

注目したいのは、バッグそのものの「構造」です。

バッグデザイナーでありバッグ研究家の林明大さんはこう語ります。「バッグの中で物が見つからなくなるのは、バッグの構造の問題。上から入れていくと、どうしても下の物はみえなくなってしまうんです」

著者も含む3名のADHD支援の専門家と、バッグの専門家が共同で開発した 『KABAG for ADHD』 というリュックは構造面からADHDの方が抱える「片付けにくさ」の悩みにアプローチしています。
ADHDの「片付けにくさ」に寄り添うバッグ

「バッグの中がごちゃごちゃで、必要な物がすぐ見つからない」

「入れたはずの鍵や名刺が、どこに行ったかわからない」

そんな日常の“プチストレス”に悩むADHD傾向のある方は少なくありません。『KABAG for ADHD』は、こうした“見えないストレス”を解決するために、数々の機能が追加されています。以下にその特長を紹介しながら「脳の特性に優しいバッグの構造」について考えていきます。

1. 見やすさバツグンの「2階建て構造」

バッグの中は上下2層に分かれた、ちょっとユニークな「2階建て構造」。

上の段(2階部分)は、上からサッと見ただけで中身がパッとわかる、まるで引き出しを開けたときのような使いやすさ。下の段(1階部分)も、横から見ることで中身が見渡せて、サッと取り出せるのがポイント。

「奥のものが見えない」「全部出さないと目当ての物が取れない」といったイライラを、しっかり減らしてくれます。

2. パッと見て分かる「透明ポケット」

内ポケットは全部、透明素材を使っているから、中に何が入っているか一目でわかります。「あれこれ探す」手間がなくなり、「あるのに見つからない……」という焦りからも解放されます。

3. 「物の住所」が決まるラベリングシール

付属のラベリングシールで、鍵・財布・スマホなどの“定位置”をわかりやすく表示できます。ADHDの方が苦手とする「物を戻す」「場所を決める」といったことも、この仕組みで習慣化しやすくなります。「あれ、どこ行ったっけ?」のプチストレスをグッと減らしてくれます。

4. 見つけやすくて落ち着く、こだわりの裏地カラー

バッグの裏地は落ち着いたトーンを採用。中身とのコントラストがはっきりしていて、小物が見つけやすいだけでなく、視覚的な刺激が少なく気が散りにくい設計に。視覚に敏感な方にもやさしい工夫です