さて、アナログとデジタル時代の違いは、主に
・やり直しが無限に出来るようになった結果、入力/理解/出力の重要性バランスが、極端に入力側偏重になった---(A)
・資料、特に写真が簡単に手に入るようになった---(B)
の2点だろう。
まずAについてだが、やり直しが基本無理だったアナログ時代では「出力の精度」が最重要だったが、
これが「トライアンドエラー+時間」で代替出来るようになった。
つまり、ブレ線なら引き直せ、塗りが悪ければ塗り直せ、目の位置がイマイチなら福笑いして直せ、が出来るようになった。
結果、「この色ならこんな感じになる」みたいな、経験に伴う「予見能力」すら要らなくなった。
入力、つまり目で見ておかしいと分かれば、無限にやり直して当たりを探せるようになった。塗った後でも平気で動かせる。
(ただし理解能力が0の場合、時間も無限にかかる事になるが。
だから、アナログ時代には不可欠だった出力精度が、デジタル時代には効率の要素でしかなくなった、と解釈する事も出来る)

アナログ時代では、出力精度を入力精度が上回る事はない。
正確に言えば、出力精度を上回る入力/理解精度を持っていても、それを絵として出力出来ない以上、「絵師」として存在出来ない。
よって、「絵師」の入力/理解/出力のバランスは原理的に出力が50%以上であり、
単純に1/3ずつ振るなら17/17/66とか、基本「出力に極振り」状態になってる。