『あの、阿由理ちゃんのお兄さん……』

帰りの駅のホームに着くと待っていたのは阿由理のクラスメイトの女子だった
メガネを掛けているが、顔立ちはキレイである
少し目付きがギラギラしてるが

「あに?」
『阿由理ちゃんの事ですけど……』
「また何かしたの?」
阿由理は毎日学校でヤバい言動をしてるらしかった

『びっくりするかもしれないけど、教えてあげないとお兄さん、きっと困るから』
「で?」
『阿由理ちゃん、今日ケンカしたの』
「……俺がらみじゃないよね?」
『あの……コンパスで刺しちゃったの、クラスの河相さんの事を』
「えっ!」
『でね? あたしも河相さんの事を一緒に刺しちゃったの……』
「はっ……?」
『だって阿由理ちゃんのお兄さんにラブレター書くから手伝ってって言うの』
「あ、ああ……で?」
『そんな事させるわけないじゃないですかあ』
「ど、どうして?」
『あ、あの』
「ん、なにこれ?」
『読んだらお返事下さいっ!』
「いい、イヤだよ!」
『なんでよおおおおおっ!!』
「イテッ!……!?」

見ると彼女の手にはコンパスの針が光っていた