>>1 つづき

学校や仕事に行かず、家にこもって過ごす人を指して「ひきこもり」という言葉が使われ始めたのは、
平成が始まって間もない1990年代初頭のこと。98年に精神科医の斎藤環さんの著書「社会的ひきこもり
 終わらない思春期」がベストセラーとなり、一般的に知られるようになった。

 不登校とも結びつけ、若者特有の問題ととらえられる中、年月は過ぎ、ひきこもり状態から脱することが
できない人の中高年化は確実に進んだ。

 「このままでは、親の死後に残された子どもが困窮して孤独死したり、老衰した親が一家心中を
図ったりと、最悪の事態が相次ぎかねない」

 ひきこもり当事者の社会復帰支援を続けるNPO法人「青少年サポートセンターひまわりの会」
(福岡市博多区)の村上友利代表(74)は心配している。

 少年や若者の場合、職探しもしやすいし、転校、進学など社会につながり直すきっかけをつかみやすい。

 中高年となると、ハードルは高くなる。「働いていなかった人が50代から急に職に就いても、
続けるのは難しい」と村上さん。ひきこもり期間が長期化するほど、社会に出る恐怖心は強くなる。
社会復帰には、ひきこもった歳月の倍以上の期間をかけ、ボランティア活動から仕事経験へと
段階的に支援していくことが不可欠という。

 サポートする親も高齢化する。最近は、継続的に相談に訪れていた親自身が介護の必要な
体調になり、解決しないまま退会したケースもある。村上さんは「いずれ、90歳の親が60歳の子を
養う『9060』も現実になる」と話す。
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