そして、境界知能の人たちも同じような困難を持つことがよくある。
勉強が苦手、仕事が覚えられない、人間関係がうまくいかないなどはあるが、
普通の人と同じように生活できるように見える人が多い。
そのため、問題を起こしても性格のせいにされてその本質が見過ごされる。
社会的な認識が十分でないため周囲の理解を得にくく、福祉制度からこぼれ、孤立しがちだ。
「性経験を積むことで女性であると確認したかった」

被告は神戸に祖父母、父母、被告を含む3人の子どもの7人家族で育った。
父は会社員、母は介護職のパートとして勤務する。小中高と成績は「3」だが、
勉強が苦痛だった。母は小学校低学年の頃からつきっきりで教え、
必死なあまり、ときには髪の毛を引っ張ったり叩いたりすることがあった。
被告は母を「スパルタ」と表現している。父は子育てをほぼ妻に任せていた。