発達症の特性と被告のとった行動の関連

母親から妊娠を問われても本当のことを言えず、重大な事実を後回しにしたのは
「状況把握が苦手」「大事な課題を後回しにする」という特性と関連づけて考えられる。
機内で陣痛時に周囲に助けを求められなかったのも、「言葉でのコミュニケーションの苦手さ、
内面を言語化することの苦手さ」と一致する。

では乳児の殺害やその後カフェに行ったことはどう捉えればいいのだろうか。興野氏はこう分析する。

「発達症ではストレス対処の苦手さや衝動性という特性がありますので、
極度のストレス下で混乱して衝動的に行動したというのは十分に考えられます。
その後、カフェに行った一連の行動の記憶が曖昧なのは、一時的な解離性の記憶障害が疑われます。
発達症の人はルーティンを好む傾向があり、カフェに行ってアップルパイと飲み物の写真を撮って
SNSに上げたのは逆にそれがルーティンだったからでしょう」