■地域猫の実態■

 野良猫被害の解決策として提案される地域猫。わざわざ殺さなくても野良猫の数を減らせる等の理由で
提案・導入されるようですが、実は地域猫には大きな問題点があります。

【活動内容】
 地域猫活動の主軸となるのはTNRというもので、Trap(捕獲)/Neuter(不妊手術)/Return(戻す)の頭文字をとったものです。
捕獲器等で野良猫を捕獲し、去勢・不妊手術を行い、元の場所に戻す、というのがこの活動の主な内容です。
手術が終わった猫には目印として耳カットを行います。
 つまり野良猫を繁殖しないようにして後は寿命が来る事により野良猫を減らそう、というのが地域猫の趣旨です。

【地域猫の成功例は殆ど無い】
 実は地域猫が成功して野良猫の数を減らせた例は数える程度しかありません。それどころか増えた例まで幾つもあるのです。
成功実績が殆ど無い理由は以下の通りです。

1.TNRから漏れる個体の存在
 猫は個体差が大きく警戒心が弱い猫もいれば強い猫もいます。警戒心が強い猫はなかなか捕獲できず、
捕獲できないと手術もできない為、繁殖の機会を与えてしまいます。

2.捨て猫の存在
 猫を遺棄する事自体違法なのですが残念ながら後を絶ちません。更に地域猫が行われている事を聞き付けて、
わざわざ活動地域に捨てに来る者もいるようです。そしてこれも残念ながら捨て猫の殆どは未手術です。

3.流入猫の存在
 地域猫では何故かTNRと一緒に野良猫への餌やりも行われます。そして餌やりが行われていると餌を求めて周辺から
野良猫が集まって来ます。残念ながら集まって来る猫が手術済みである事は期待できません。

 そして手術済みの猫が繁殖に加わらなくても、これらの猫の間で繁殖します。猫の繁殖力は、交尾を切欠に排卵が始まるので
一回の交尾で妊娠しやすい、1年に2回以上出産が可能、1度に5匹前後を出産、生後1年で繁殖可能と極めて高く、
結局は捨て猫・流入猫・新たに産まれた子猫で手術対象が増えるという結果になってしまうのです。

【TNRを行っても猫被害は無くならない】
 地域猫の主軸となっているTNRは、あくまで繁殖させない手術です。従って手術した猫でも糞尿はしますし喧嘩もします。
つまりTNR自体に猫被害を低減する効果は無いと言っても過言ではありません。
 唯一期待できる効果は発情期の鳴き声やメスを巡っての喧嘩を抑える程度です。

【意外にかかる費用】
 去勢・不妊手術は動物病院にやって貰う事になりますが、料金は1匹あたり雄猫で1万5千円程度、
雌猫で3万円程度かかります。病院の善意で手術代が安くできたとしても1匹5千円程度はかかります。
 地域猫開始時に10匹の野良猫がいて手術代を安くできたとしても5万円はかかります。この金額、
町内会費用から捻出するような場合に安いと言える金額なんでしょうか?
 そして捨て猫や流入猫、新たに生まれてしまった子猫等で手術対象が増えると、費用は一気に膨らみます。

【必要な期間は年単位】
 地域猫は去勢・不妊手術により繁殖をさせないようにして寿命を全うさせようというのものです。
野良猫の平均寿命は3~5年と言われていますが、対象野良猫の平均年齢を2歳、4歳まで生きると考え、
全ての野良猫の手術を終えたとしても、2年間は餌やりを継続する事になります。その間に捨て猫や流入猫、
それらの間で生まれた子猫がいた場合、更に必要な期間は延びます。そしてその間、猫被害は出続けます。

【まとめ】
 このように地域猫というのは費用や時間が掛かる割りに、効果は期待できないどころか悪化させる事もあり、
その間、野良猫からの被害を我慢しなければなりません。
 やめませんか?地域猫を導入するのは。

【最後に】
 もし野良猫被害の対策会議を行った時に地域猫を推す人がいたら、成功実績例を開始時の野良猫の数、掛かった期間、
現在の野良猫の数も含めて提出させてみて下さい。またそれらが正しいかどうかの検証も、お忘れなく。

※なおTNRの為に公園等で捕獲器を使うには、基本的に狩猟免許が必要になると思われます。


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