よろしくお願いいたします。
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【板名】 漫画サロン板
【スレ名】 りびんぐゲーム連載中
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【名前欄】 1/2
【メール欄】 sage
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ROOM51 それがどうした

福永が、へ、へへへ……と笑いだす。
「まいったかよ。お、俺といずみは、初めて結ばれたんだ。
 忘れられるわけないだろ。ないじゃないか……いずみもそれを認めた」
いずみは、受刑前の囚人のようにうなだれている。だが……
「だからなんなの」
不破は、いずみを抱き起こして、静かに言った。
「どうしていずみちゃんがおまえとのこと告白したんだと思う!?」
なんで知られたくなかったのか、それをどうして自分の口から言わなきゃいけなかったのか……
「俺のことが好きだからだよ」
そう断言する不破の表情には、曇りがない。
帰ろうといずみに言う。不破を見つめるいずみは、ただ安堵の表情だ。
「もう俺のことは、なんとも思ってないのかよ。忘れちまったっていうのかよ」
この町のことも忘れて、また東京へ逃げるのか? そう問う福永に、いずみは言った。
「今頃なに言うのよ。あの時きてくれなかったじゃない。あの時逃げたのは福永くんのほうじゃない」
福永が握りしめたカバンを、不破が掴む。だが福永はカバンを離さない。
「渡さない。いずみは渡さない。あんたみたいなオッサンに渡せるか」
どーせいずみの身体が……言いかけて、その瞬間、不破の目の迫力に気圧されて言葉を飲み込む不破。
「これ以上いずみちゃんを悲しませるなよ。自分だっていやだろ」
立ちすくむ福永を残して、不破たちはその場を立ち去った。
竹藪に、雄叫びと、竹を殴る音と頭をぶつける音が響く。不破たちは、振り向かずに歩く。
いずみは勇太に「家に戻ってて」とカバンを預けた。黙って帰ったりはしない。お父さんと話あるから。
勇太は安心したように「はい」と言い、家へと帰っていった。

いずみたちは、あの河原に足を向けた。夕日が沈んでいく。
「ハ行だ」
不破が言った。
「福永、氷山、不破」
気づかなかった。あの人、いつも私のこと呼び捨てにしてたから。
「中学の時の同級生なんです」
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