タリバンは悪いのか?

タリバン政権、すなわちアフガニスタン首長国は、彼らなりに独立国であることを主張していたわけです。したがってその領域内において主権がありますから、石像を破壊することはまったく問題ないでしょう。女性差別といいますが、本当に彼らにそういう意識があったのでしょうか。タリバン政権は国の法をシャリーア(イスラム法)においていました。それに準拠しただけでしょう。これらはすべて国家主権の問題です。
米国がアフガニスタンを攻撃したことに正当性があるかどうかについては別の問題です。まず米国はアフガニスタン首長国を承認していません。たしか承認していたのはサウジアラビアとスーダンだけだったと思います。したがって米国にとってはアフガニスタンに国家主権をもともと認める立場にありません。
アルカイダをかくまったことについては、タリバンの側から言えば、内政問題でしょうし、恩人であり、また客人なのだから丁重に扱うのは当然のことだと思います。
かりに米国が承認している国家であった場合、単にテロリストをかくまったからといって自衛権の発動が容認されるものではないと考えます。もともと貿易センタービルへの攻撃も米国に対する攻撃かどうかははっきりしていません。少なくともアルカイダについては米国に対する攻撃であったことが立証される必要があるでしょうし、タリバンについてはアルカイダとの間に協同謀議があったことが立証されなければ正当な自衛権とすることに疑いがあります。