0001†Mango Mangüé ⭐ (ﾜｯﾁｮｲW 9cb3-3iZI)
2016/08/03(水) 10:49:07.865115ID:OjIMtEga0E-mail：
内容：
本拠地、横浜スタジアムで迎えた中日戦
先発三浦が初回炎上、打線も勢いを見せず惨敗だった
スタジアムに響くファンのため息、どこからか聞こえる「今年で引退だな」の声
無言で帰り始める選手達の中、最後の大洋戦士戸柱は独りベンチで泣いていた
大洋で手にした栄冠、喜び、感動、そして何より信頼できるチームメイト・・・
それを今の横浜で得ることは殆ど不可能と言ってよかった
「どうすりゃいいんだ・・・」戸柱は悔し涙を流し続けた
どれくらい経ったろうか、戸柱ははっと目覚めた
どうやら泣き疲れて眠ってしまったようだ、冷たいベンチの感覚が現実に引き戻した
「やれやれ、帰って配球を見直さなくちゃな」戸柱は苦笑しながら呟いた
立ち上がって伸びをした時、戸柱はふと気付いた
「あれ・・・？お客さんがいる・・・？」
ベンチから飛び出した戸柱が目にしたのは、外野席まで埋めつくさんばかりの観客だった
千切れそうなほどに旗が振られ、地鳴りのようにホエールズの応援歌が響いていた
どういうことか分からずに呆然とする戸柱の背中に、聞き覚えのある声が聞こえてきた
「ヤスタカ、守備練習だ、早く行くぞ」声の方に振り返った戸柱は目を疑った
「や・・・屋舗さん？」 「なんだ金剛力士像、居眠りでもしてたのか？」
「た・・・高木コーチ？」 「なんだ戸柱、かってに高木さんを引退させやがって」
「進藤さん・・・」 戸柱は半分パニックになりながらスコアボードを見上げた
１番：高木豊 ２番：清水 ３番：屋舗 ４番：シーツ ５番：レイノルズ ６番：長内 ７番：進藤 ８番：戸柱 ９番：三浦
暫時、唖然としていた戸柱だったが、全てを理解した時、もはや彼の心には雲ひとつ無かった
「まだ・・・まだ三浦さんとやれるんだ！」
谷繁からグラブを受け取り、グラウンドへ全力疾走する戸柱、その目に光る涙は悔しさとは無縁のものだった・・・
翌日、ベンチで冷たくなっている戸柱が発見され、筒香と村田は病院内で静かに息を引き取った
BBR-MD5:b62b612f0d7753c5b376b3348017ee08(994)
BBS_COPIPE=Lv:0
PID: 34115
[0.086229 sec.]
Rock54ed.
